投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

returns to one
【姉弟相姦 官能小説】

returns to oneの最初へ returns to one 7 returns to one 9 returns to oneの最後へ

returns to one-8

「あたしは…!もうずっと、瑛介を弟だなんて思いたくなかった…!」

『…な…何言って…』



だって、じゃあ颯太は―――…

収拾のつかない感情は全て消えたが頭の中が真っ白になり、何を言えばいいかわからない。

たじろぐ俺に、沙也がぽつりぽつりと言葉を続けた。



「高校入ってあんたに彼女が出来て…ずっと隣にはいられないんだ、って痛い程わかった。颯太には最低なことしてるけど…」



“誰かを利用してでも自分の想いを断ち切らなきゃって。”

静かにそう告げる沙也の瞳から、また大粒の涙が零れた。



沙也は人の気持ちを踏みにじるような女じゃない。颯太と一緒にいることを選択するのに、どれだけの覚悟をしたのだろう。

(お前がそんな風に思いつめてまで日常をまもろうとしてたのに、俺は…)

幼稚な独占欲と醜い嫉妬心に駆られて、歪んだ感情で強引にからだを奪ってしまったんだ…



突き刺さる事実に色を失い、冷えた汗がからだを流れる。

ごめん…沙也、ごめん…

わかっていたのに。

俺達は姉弟なんだ。

どんなに想っていたって、俺は嫉妬していい立場じゃない。繋がっていい関係じゃない。



「…ばか。何て情けない顔してんの…」



沙也の薄くて華奢な左手が、俺の冷たくなった頬に触れた。そこにだけ温もりが伝わる。



『…沙也…』



柔らかくて温かい弾力が俺の口唇に一瞬だけ触れた。

沙也から受ける初めてのキスだったのに…

口唇が離れて久しぶりに俺に向けられた笑顔は、ひどく哀しげなものだった。




returns to oneの最初へ returns to one 7 returns to one 9 returns to oneの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前