甘えるのが下手っぴ。-7
「私、実はずっとピルを飲んでいて・・・だからゴ―――――」
『―――――待って、郁。これ以上煽らないで。』
郁の口元を手で覆い言葉を遮ると、郁が笑った。
その笑顔に中の息子が大きく跳ねたけど、今日は我慢。
それに・・・
(なんだかこのまま、この感触を味わってたい気分なんだ・・・)
つながったまま、郁のキスを落とす。
おでこ。
こめかみ。
まぶた。
鼻の頭に、頬、口角。
そうして頭をなでていると、郁が安らかな寝息になった。
「かわいい」なんて、いままで安売りでいろんな女に言ってきたけど・・・
郁に対するかわいいは、ベクトルがちがう気がする。
小さな声で言葉をつまらせながらおねだりをする、ひかえめなところがそうさせるのかもしれない。