ひとときの逢瀬-5
「ママも式を挙げたの?」
「ええ、そうよ。私の大切な思い出なの」
「そのお姉さまは…今どうしているの?」
美貴の問いに志津はびくっとした。その顔には複雑な表情が浮かんだ。
「…いずれ話すわ。それよりもうお腹がぺこぺこ! 2人が作ったお夕食を味見させてもらうわね」
志津はあわてて話題を変えようとした。
着ていた薄手のハーフコートをばさりと脱いでコートハンガーにかけると、今度は愛花と美貴が目を見開いて絶句した。
「コッ…コーチッ…?!」
「ママ…いやっ、そんな恰好…」
志津がコートの下に着ていたのは、素っ裸よりも恥ずかしい、直見を誘惑したあの淫売ルックだったのだ! 志津は自分の服装のことをすっかり忘れていた。
「いやああああああああぁぁぁんっ!!!! 見ないでええぇぇっ!!」
志津は胸とアソコを隠しながら2人に背を向け、顔を真っ赤にしてしゃがみ込んだ。
すると今度は極小カットジーンズがふんどし状に食い込みまくった巨大なお尻が丸見えになる。
あわててバスルームに飛び込んだものの、不意打ちのような羞恥プレイの連続に志津はまたもびしょ濡れになってしまった。
そして楽しい3人での夕食。ガールズトークに花が咲き、しかも豪華デザート付きだ。
お互いの想いが通じて恋人同士になれた上に交際を認めてもらった2人にとってはこの上もなく嬉しい夕食のはずだったが、気にかかることがひとつだけ。
スイーツを置いてこっそり帰ってしまったつかさのことだ。愛花から事情を聞いて美貴も心配していた。
「そうだったの…。つかさちゃん、きっと傷ついてるわね…」
普通の室内着に着替えた志津は、夕食後のデザートであるロールケーキに包丁を入れながらつぶやいた。
「女同士の恋愛でも失恋はつきもの。今度私がよく話してみるわ」
「ママ…。つかさを慰めてあげて…。ママに舐めてもらえば、少しの間だけでも忘れられるわ」
(本当に世話の焼ける子たちねぇ…。でも、ちょっといいかも…)
ふっとため息をつきながらも、志津は健康的ですんなりと伸びたつかさの愛らしい肢体を思い描いて、一瞬、淫らな妄想を頭にめぐらせた。
絵に描いたような良妻賢母とマンコに目がない超淫乱なメス犬。この二面性が志津という『女』の本質なのだ。
「船橋さん、今夜はもう遅いから泊まっていきなさい。でも今日はもうSEX禁止よ。あなたたちに好き放題やらせたらシーツが何枚あっても足りないわ!」
「…はい…」
消え入りそうな声で答え、バツが悪そうに顔を見合わせる2人を見て志津は微笑んだ。
その日の晩。
美貴と愛花と志津は、3人で志津の部屋のセミダブルベッドの上で川の字になっていた。
2階の愛花の部屋にあるベッドは大量の潮と尿でびちゃびちゃで、とても寝れたものではないからだ。
真ん中に寝ている愛花は、美貴の胸に顔を埋めて既にすやすやと寝入っている。
愛しい少女の頭を撫でながら、美貴は言葉では言い表せない幸せを感じていた。
「あの…コーチ…。まだ、起きてますか?」
「ん…なぁに?」
「実は……」
美貴は、実は愛花がまだ処女であること、あの玲が愛花の処女膜を破らなかったのを知り、自分もそれに従ったことを告げた。
「たしかに奇妙な話ね…。やはり今の剣道部には何かあるわ…」
ぽつりと志津がつぶやいた。
「一体何が…あるんでしょうか?」
「それを探るのが私の仕事なの。でもこれは絶対他の人に言っちゃダメ。あなたたちのことも秘密にしてあげるから、交換条件よ」
「…お帰りになった時は凄いカッコでしたね…。あんまりセクシーで…目のやり場に困っちゃいました。あれもお仕事なんですか?」
「……っ!! もうその話はしないで…っ!」
思わず大きな声で言いそうになり、今度は志津がドギマギする番だった。
翌朝。さわやかな日差しが照りつけている。
コーチ就任にあたり朝の日課として始めた素振りと走り込みを終え、志津が袴姿でリビングに戻ってくると美貴と愛花はエプロン姿でキッチンに立ち、料理を作っていた。
昨日と違うのは、2人とも裸エプロンだということ。
愛花は美貴に締め上げてもらったお揃いのふんどしを食い込ませて野菜を切ったり、ハムエッグを作ったりしている。
美貴のお尻にも同様に細幅の六尺褌が食い込んでいる。
キャッキャッとはしゃぎながらする料理風景に漂う甘い雰囲気。まるで新婚家庭に迷い込んでしまったような居心地の悪さに志津は苦笑した。
(2人とも見せつけてくれるわよね…)
志津もかつてお姉さまと一晩中愛し合った後の楽しい夏の日の朝を思い出していた。
シャワーも浴びず、前夜の愛欲の宴の名残りを残した素っ裸のまま、よく2人で朝食を作ったものだ。
お姉さまの命令で、志津は潮と愛液と尿まみれになった汚い手でサラダをちぎったり、パンを切ったりさせられた。
(お姉さまは『とっても美味しい。しーちゃんの味がする』って喜んでくれたわ…)
スープやジュースは全部口移し。パンやサラダもお姉さまがどろどろに咀嚼してくれたものを食べた。
(お姉さまは興奮してくるとゆで卵をアソコに入れて、皿の上で産み落としてくれたっけ…)
『いい? 志津…よーく見ててね。私のアソコを…』
『はい…。お姉さま…』
『うむっ…。見てぇ…私のマンコ…。広がっちゃってるのおおぉ…。んんんんんんんんっ!!』
むりむりむり…っ! …ぼとんっ!!
『おいひぃ…。もぐ…もぐ…。お姉さまの味がするぅ…』
愛しいお姉さまのマン汁がたっぷり染み込んだゆで卵の味は格別だった。
でも…千景お姉さまの産んでくれたゆで卵はもう二度と食べられないのだ。
若い恋人たちを見つめる志津の目には一筋の涙が光っていた。