第4章-5
「やめて…」
大声が出ません…。
暴れて抵抗することもできません…。
嫌で仕方ないはずなのに、結局は峰岸さんのテクニックに負け、淫らに声を出しながら逝ってしまったこと…遂には、膣の中に射精されながら逝ってしまったこと…昨晩の光一さんとのセックスに物足りなさを感じながら演技をしたこと…。
この2週間余り、光一さんを裏切り続けてきた自分の心と身体を思うと、こんな状況を見られたときに、自分は悪くないと光一さんに胸を張って言える自信はありませんでした…。
「私みたいに、欲しい物が何でも手に入るようになるとねぇ…無性に、人の物が欲しくなりましてねぇ…それが、美しい女だったら尚のこと、どんな手を使ってでも自分の物にしたくなりましてねぇぇ…ククク…」
峰岸さんが背後から耳元に囁きながら、長い舌でねっとりと耳を愛撫してきます。峰岸さんの言葉に慄然としながらも、完全に私のツボを知り尽くした舌の動きに早くも甘い痺れを感じてしまう私…。
「嫌がりながらも、旦那のことを思いながらも、奥さんが少しずつ少しずつ私の物になっていくのを見るのは最高ですよ…ククク…今夜もたっぷりと狂わせて差し上げますよ…クックック…」
腕に力を込めた峰岸さんが私をソファへと引き摺り込んでいきます。
「いやぁぁ!…助けてっ、光一さん!」
堪らず、大きな声を上げる私。
でも、光一さんは身動きしませんでした。
光一さんとの距離が徐々に離れていき、遂にソファに押し倒されてしまいます。光一さんとの僅か数メートルの距離がとても遠く感じられました…。
「んっ…んっ…うんぁっ…」
私はソファの上に四つん這いにされ、峰岸さんに後ろから挿入されています…。
すぐ目の前では光一さんがテーブルに突っ伏して穏やかな寝息を立てていますが、こんな惨めな状態でその寝顔を見ることなんてできません。私は、光一さんを見ないようにうな垂れたまま、峰岸さんの攻めに耐えているのでした。
「ふふふ…奥さん、いいんですか?旦那を見ていないで…目を覚ましてしまうかもしれませんよぉ…」
「こんなことされているに…見ることなんて…できません…んぁっ…」
相変らずの女を知り尽くした峰岸さんの腰使いに、思わず声が漏れ出そうになります。手の甲を口に当て、それを必死に防ごうとする私…。