双星の魔女の困惑-5
「確かにアンタとあの子は違うわよね」
アースと比べたらグロウの方がクールだ。
すぐ頭に血が昇るアースと違って、理性的だし目立つ事を好まない。
声も低めだし、仕草や服の趣味も違う。
『だろ?』
グロウは人型に姿を変えると、立ち上がって腰を伸ばした。
「そうか……そうよね……確かにうってつけだわ……全く眼中に無かった」
リンの言葉にグロウはグッサリと傷つくが顔には出さない。
『しかも、記憶はバッチリあるからお前の良い所は全部把握してる……満足させる自信はあるぜ?』
机に左手をついたグロウは、右手でリンの髪を撫でた。
「んふっ……じゃあ、お願いしようかしら?」
リンは妖しく微笑むとグロウの首に腕を伸ばす。
グロウはリンの腰を引き寄せて椅子から立たせた。
『リンの躰は1年ぶりだな』
「あら?別人なんでしょ?初めてよ」
リンはグロウの頬を撫でて金色の目を見つめる。
紫色と金色の視線が絡まった。
そのまま引き寄せられるように近づいた2人の唇が重なる。
少し触れただけのキス……たったそれだけなのにリンの肌が泡立った。
「んっ……んぅ……?」
何度も角度を変えて、慈しむように与えられる口付け……愛おしそうに唇をなぞる舌……優しく背中を包むグロウの腕。
ひとつひとつ丁寧な愛撫にリンの躰がじわぁっと熱くなった。
「んっ……ちょっ……」
リンは堪らずにグロウの胸に手を置いて躰を引き剥がす。
『?どうした?』
「……何か……変な感じだわ……」
今までのキスと何かが違う……リンはなんとも言えない自分の状態に戸惑った。
『そりゃな、アースの外見の奴が全く違う愛撫してんだから変な感じなのは当たり前だ』
グロウはそう言いながらリンをよいしょっと机に座らせる。
「そ……うかしら……」
それとは違う何かがリンを落ち着かなくさせているのだが、理由が分からない。
『ほれ、バンザーイ』
いつの間にかワンピースをたくしあげられていたリンは、言われた通りに両手を上に上げた。
すぽんと脱がされるとそこには白い肢体が現れる。