タケルの依頼-2
智美は胸を高鳴らせていた。
思いも寄らぬタケルの依頼に初めはかなり戸惑ったが、
これまで隠し通してきた自分を体験談という形で吐き出すことで、
ここ最近の悶々としていた気分を少しでも解消できそうな気がしていたのだ。
高鳴りの理由はそれだけではなかった。
(私の淫らな部分を誰かにわかってもらいたい)
智美はそんな思いも抱いていた。
例え顔が見えずとも、
読んでるのが誰かわからずとも、
智美はこの依頼に目に見えぬ何かしらの期待を感じていた。
智美は早速パソコンを起動させると、メール作成画面を開いた。
つい先日にタケルとの出来事を思い出していた智美は、思いのほかすらすらと書き出すことができ、
一時間ほど経った頃には既にタケルとの出来事を一通り書き終えていた。
智美は自分で書いた文章を確認するように読み返す。
(ぃやだ‥‥
こうして見ると私‥‥
凄いエッチなことしてたんじゃん‥‥‥)
智美の中で淫らな感覚が広がっていく。
そして智美はひと息つくこともなく、タケルには知られていないと思っていたあの出来事を思い返し、キーボードを打ち始めた。