ブルースカイ・ブルー-3
「岬のパンツもココも、凄いびちゃびちゃだよ…?」
そんなこと、言わなくていいのに。早く欲しい。
そんな私の気持ちを知ってか知らずかあいつはじらすように入り口を指でなで回している。くちゅくちゅと卑猥な音が響く。
「やぁ…早くいれて…じらしちゃイヤだ」
私は潤んだ瞳であいつを見上げる。欲しくてたまらない。こんなことは初めてだった。
「ごめん…思わず、ね。だってそんな顔シた岬初めてなんだもん」
指が浅くナカに入っては出て、蜜をかきだす。私の腰はかくかくと震え出す。
「あっあっあっ!やぁっ…んぅ…!」
もっと、もっと奥まで欲しい。私は腰をくねらせ指をナカへ導こうとした。
「いつになく積極的だね?俺がいない間寂しかったの?」
私の乳首をなめながらあいつが聞く。
「うん…うん…」
頷きながらも腰が止まらない。眉に皺をよせたあいつは色っぽい。
「…そうか。じゃあ、おもいっきり可愛がってやるからなっ!」
ズンッ!!
私のナカにあいつのモノが突き立てられた。
それはじゅぶじゅぶと私のナカに飲み込まれていく。
「あぁ…入ってるぅ」
奥まで入ると、一端動きを止めて。
「動くよ…」
あいつが耳元で囁いた。息が、荒い。私は入っているだけなのに、気持ちよすぎて声が出せなかった。こくりと頷くと、あいつは動き始めた。
「ああっ!ゃはっ!んぅう!!」
ズンズンと太くて長いソレが、私の最奥を突いてくる。内壁を擦り、何度も何度も。あまりの快感に何がなんだか判らなくなる。
「岬っ!」
卑猥な水音と、身体のぶつかり合う音に混じって、あいつの叫び声が聞こえる。
「あん!コウッ!イイッ!あぁぁ…はっ」
激しい突き上げに、私はすぐ頂点に達した。
「あっあっイクッ…イっちゃうぅ!」
目の前が白くなってゆく。あいつの声が聞こえた気がした。
「愛してる…ずっと愛してるよ岬。だからもう、立ち直って…。俺に縛られないで…」
目が覚めると、そこにはあいつはいなかった。私はパジャマを着ている。何の変哲もないいつもの自分。
「夢…か」
濡れた自分の股間が恨めしい。
あいつがいない。それは当たり前のことだ。あいつが戻って来てくれる訳などない。
あの真っ青な空の下、バイクにまたがり去っていくあいつ。その背中を見送る私。また明日、あえるだろう。瞬間、空高く舞い上がるあいつ。青い空に吸い込まれるように、高く、高く。青い空、白い雲、赤い涙。さわさわとそよぐ夏風にさらわれて。騒ぐ人混み、うるさい蝉の声、動かない身体。口から滴る。目を開けたまま。潰れた宝物。
あえるわけ、ない。そう判ってても胸が苦しい。もう一度ベッドに寝転がると、耳元でチャリンと音がした。何だろう。
拾い上げてみると、鍵だった。見覚えがある。黒いカバーの付いた鍵。マヤノトップガンのキーホルダー。
ドカティの鍵。
あいつの、宝物。
潰れてしまった。
私は立ち上がり、カーテンを開けた。
夏風にそよぐ緑の葉っぱ、まぶしい日差し、白い雲、そして真っ青な空。
「ばいばい、コウ」
私はまた、ベッドに戻る。
一眠りしようか。