-思い。--4
詠介は上がっていいかと聞いてきた。
萌は小さく頷いた。
時計を見ると針は12時丁度だった。
「何か食べる?...」
「あ、おう...」
萌はキッチンへ向かった。
「なぁ...」
「ん?」
「あ、やっぱ何でもない...」
「そ..う..」
すると詠介が立ち上がった。
ギュ。
「あ...え.い...介...?」
「...。」
「焦げ...ちゃうよ..」
「ごめん...」
詠介は萌から離れた。
「具合...悪いの?」
「あ、いや...なんか...駄目だ..」
「ど...うしたの...?」
「ごめん....今日は帰るわ...」
「ぇ...あ、うん.......」
なんだったんだろう.....。
でも何だか詠介が離れていくような気がした。
気が...。