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「振動」
【エッセイ/詩 その他小説】

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「振動」-1

空気を伝わり脳に流れ込み、安らぎ、恐怖、怒り…何もかも音で伝えてしまう振動

声を発するのにも振動を必要とする
振動は心を動かすための物でもある
異性に胸魅かれるのも互いの振動が同調した結果である

人を殺めるのは振動がぶつかりあい双方共々消滅せず意固地に貫き通すため
貫くためには貫かれる者も必要

人とは簡単な生き物だ
振動が違うだけで死に至る
今あなたの胸に手を当て感じる振動の間に外部からの振動を与えると人は卒倒し昏倒する
脆くはかない生き物
だが私はその尊い生き物を愛し憎しみ涙しまた愛す
私は私だけの振動では生きて行けない
誰かと手を取り合い手の細部から伝わる振動を同調させて心の奥底に眠る私の真情を揺り動かす為に…動かす者を見出だす事が出来るのならば私の血肉を捧げ骨を砕き髄までその者に注ぐ
その代償は私が貰う揺り動かすための振動の代りに…私はその者に愛と幸せの振動を与えるとここに誓う


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