気もちいことがお好き。-1
「・・・・・・ん・・・」
自分の寝返りで目が覚めた。
(なんか、頭がふわふわする・・・)
え・・・っと、ここは・・・?
壁紙やクローゼットはうちと似てるけど、でも何かがちがう。
部屋のにおいも細々とした家具も、うちにはないものだ。
『あ、目覚めたー?いま飲み物用意するね!』
ドアからパッと顔を出した人物はまたすぐに視界から消え、それに伴って声も小さくなっていった。
あれは・・・そうだ、夏目さん。
どうして夏目さんがあんなにやさしく話しかけて―――――・・・
ウーロン茶だけど、と差し出されたものを大きく一口飲んだ。
(たすかった、すごく喉がつかれていた。)
胃まで冷えたものが染みこんだのがわかった。
頭もかなりクリアになった。
ベッドの脇に夏目さんが腰を掛けた。
(あれ・・・そうだ、ベッド・・・?)
『よく寝入ってたから、ベッドに運んじゃった。』
勝手にごめんね、と言い私の髪をやさしく撫でてくれた。
(そうだ、さっきリビングで・・・)
両手の中にあるグラスに目を落とすと、グラスに透けて自分の肌が映った。
(だから私はいま裸なのであって・・・)
はだ・・・・・・
――――――――――っ!!!
そうだ!私さっき夏目さんと・・・!
!!! !!!!
私の表情を下からのぞきこんで、やっと状況のみ込めた?と笑う夏目さん。