気もちいことがお好き。-5
「ん・・・っフ」
「こ、れ・・・気もちい・・・う、ごいてくださ・・・」
口を半開きにした郁が、緩慢に腰を動かした。
『―――――っ・・・ホント、郁はセックス大すきなんだね。』
もう何度目になるのか、濃厚なキス。
唇の離れた時が合図となって、ガツガツと攻めたてた。
「んっあっはァっあぁン!イッ、ちゃいそうですううう」
『・・・あぅ・・・お、れも・・・!』
激しく動いたまま、なんとなくチュッと口づける。
達する前にキスをしたのは、人生ではじめてだった。
「あぁああああ、も、だめぇぇえええ!!!」
『うっあ、締めすぎ・・・!』
「いや・・・ん、はあぁぁああ!!!」
郁の強烈な締めつけに耐えられる術もなく、最奥に精を吐き出した。
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夏目さんの重みと熱が気もちいい・・・
お互い会話もせずに呼吸を続けた。
文字通りからだを重ねて。
そんな空気を先に割いたのは夏目さんだった。
何も言わずに処理を始め、処理が済めば下着を履き、キッチンの方向へ消える。
奥で冷蔵庫の開閉音が聞こえた。
(最中はあんなにキスしてくれて、近くに感じたのに。)
シーツに手を触れた。
夏目さんのいた場所は、まだ少しだけぬくもりを残している。
夏目さんのいたところが冷える前に帰らなくては、と思った。