プロローグ-1
「ヒック・・ヒック・・グスッ・・」
「・・・お前、泣いてるの?」
「ヒック・・だ、れ?」
「オレの事より・・何で泣いてるの?」
「・・お歌・・ちっとも上手くなれないの・・。音・・外しちゃう・・」
「・・・。・・オレも、ギター上手くなれないんだ。
・・・やめた方が、いいのかも・・」
「え・・やめる・・?・・やだよぉ。」
「なんで?泣くくらいなら・・」
「だって・・好きだもん・・。お歌、歌うの・・。あなたも・・すきでしょ・・?」
「・・・・。・・うん・・。」
「じゃあ・・・まだ、やれるよ」
「・・うん。まだやる。・・・音楽無くて音外すなら・・ギターで弾く?」
「え、いいの?」
「・・たどたどしいけど・・。」
「うん!・・あ、えっと・・名前・・」
「名前?・・・・・・・ソラ」
「・・そら?お空の・・そら?」
「うん。・・カタカナで、ソラ」
「いいなぁ、ソラって。・・私は、せいら。」
「・・可愛い名前。・・よろしく、せいら。」
「・・引っ越しちゃうの・・?」
「うん・・ゴメン・・。」
「いつ・・会えるの・・?また、会えるの?」
「・・会いに、来る。それで、二人で・・・」
「・・・・うん、うん・・絶対、絶対、待ってる・・約束。」
「うん。・・約束。」
― もう一度、君に逢えるまで・・ ―