大胆なことをしてくれる。-4
『―――――じゃあ、さ・・・郁ちゃんがホントの恋愛おしえてくれる?』
郁の前にひざをつき、胸下まである長い髪の毛先を軽くつまむ。
俺の真意を確かめんとする動揺した瞳と、視線が交差する。
そのままそっと唇を重ねると、意外にもあっさり受け入れてくれた。
固まったからだをソファの背もたれへ押し倒しつつ、再度キス。
下から持ち上げるよう胸に触れながら、舌で上下顎をこじあける。
『・・・かわいいルームウェアだね。』
淡い紫色の、チューブトップ型オールインワン。
薄いピンクのドットが全体に刺繍されている。
上に羽織っているグレーのパーカも淡色。
どれも郁の白い肌によく似合っているが、見るからに力の入っている太ももが、俺を加虐的な気もちにさせた。
「んん・・・ふ、ちょ、待ってください!」
互いのからだの間に両手が割り込み、突き放すように距離を置かれた。
「夏目さんは・・・私のことが好きなんですか!?」
『え・・・』
―――――ハッ。好きか、だ?
震える眼差しに、口元がゆがみそうになるのを堪えて言葉を並べる。
『・・・たしかに、順番がちがうよね。』
『でも郁ちゃんに会う前から、飛んできたパンツ好みだなって思ってたんだよ〜。』
「―――――な・・・っ!?」
カッとなる郁のこめかみにキスを落とし、おでこを重ねる。
『あと、単純に郁ちゃんすげーかわいいって思った。』
『これから好きになっていきたいんだけど、それじゃ狡いかな・・・?』
眉間に少しだけ皺をよせ下唇をきゅっと閉じる彼女に、それ以上の反応はなかった。
(バカじゃねえの。)
その本音はやはり、墓場へ持っていくべき言葉だ。