大胆なことをしてくれる。-2
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驚きでビンタ自体に痛みはなかったが、時間が経つにつれ熱を帯びてきた。
なんで俺がこんな目に、と原因になったものを見やる。
・・・ホント、誰のだよ。
まじまじと、手にとって見てみた。
うすいミント色で、ゴム部分からは大きめのフレアがついている。
前面に白い花の刺繍がほどこされており、ミントグリーンの小さなリボンが添えられていた。
(―――――うん、俺好み。)
あー、これで1発いけちゃうかも・・・
せっかくだし久しぶりにオカズ動画でもさがして―――――
―――――ピンポーン―――――
―――――誰だよ・・・
空気ブッ壊しなインターフォンにげんなり。
タイミングの悪さに、ため息を堪えうつむき加減で玄関の扉を開ける。
「―――――あぁっ!頬が!て、手形が!」
声の主は両手を顎の近くで丸め、思わず、といった口調で小さく叫んだ。
『え・・・っと、どちら様ですか?』
涙ぐむ大きな瞳。
脳に響くような高い声。
チワワみたいな子だと思った。