契約@-1
「っ…………」
修一はよく解らない違和感に深い眠りから意識を取り戻した。
左へ首を捻ってみると、甘えたように身を擦り寄せているミルルが、やはり甘えたような視線で修一を見上げている。
しかしその瞳には、得体の知れない妖艶が宿っていた。
「お目覚めやな……」
その声の方へ顔を向けると、少し離れた所で浮いているクランが
「ニヒヒッ」
と、憎たらしい笑みを浮かべている。
「く、らん……?」
クランの周りに見える景色は確かに修一の室内であることを窺わせる。
しかし、明らかに異なる点があった。
それは、色。
クランとミルル以外、全ての物が古ぼけた茶色……セピアの色に染まっている。
「修一さん……?」
ミルルは柔らかい声色と共に身を起こし、若草色の瞳を一瞬、僅かに光らせる。
「私を襲わないなんて……学校でどれだけぶちまけちゃったんでしょうね……?」
その問いに修一は答えられない。
何故か突然脈が激しくなり、そのたぎりが一点に集中していく。
腰が軽く震えるほどに、何処かへ納めたくて仕方がなくなってくる。
「なん……っ?! ミルル?」
修一は次から次に起こる摩訶不思議に頭をクラクラさせ始める。
目の前で妖艶に微笑むミルルが二人、三人、四人……次々と増えていき、彼の身体に群がっていくのだ。
「覚悟しぃや?」
ニヤニヤ笑うクランの目は僅かに、しかしずっと紅蓮に煌めいている。
「節操のないチ○ポにはお仕置きですっ」
修一を覗き込んでいたミルルが宣告してニコリと微笑むと、その顔が離れていくと共に一斉にやわらかな感触が修一の身体を這い始める。
「うわぁあっ! ちょ、待て! 待てって! むぐッ……」
「五月蝿いお口はおっぱいで塞いじゃいましょうねっ」
その言葉の通り、先程とは別のミルルが修一の顔に豊乳を押し付ける。
二つではない。
四つである。
二人のミルルが修一の顔に胸を押し付けているのだ。
しかし修一は息苦しくも喚くことを止めようとはない。
指に這い回る舌の感触が、手首にも二の腕にも、胸板にも感じられるのだ。