マリッジブルー-9
『「キャラ?!」』
驚きのあまり、つい愛称で呼んでしまう。
「?ミヤが潰れちゃったからベルリアさんとこ連れてったんだけど……う?」
話ながらドアを開けたキアルリアは、部屋に充満している牝の臭いに顔をしかめた。
見ると、ソファーであられもなく乱れてぐったりしているイズミと、妖しい笑みで自分の手に絡みついた液体を舐めているリン、そして、真っ赤になりながらもしっかりと2人を観察しているステラの姿が見える。
「義姉さん……これは何事ですか?」
「姫様?!」
しっかりとアースの目を手で塞いだキアルリアは呆気にとられてステラに聞いた。
「あ、あの……イズミ姫が濡れやすいけどイキ難いっておっしゃってましたでしょう?それでリン様が……」
「んふぅ♪イズミちゃんはイキ難いんじゃなくて名器なのよ♪」
満足そうに指を舐めきったリンは解説を始める。
「しかも良い所が奥にあるから当たりニクいのよね、だから先に男の方がイッちゃうの♪」
「……名器……ですか……」
ふむふむと頷いているステラにキアルリアは項垂れた。
「義姉さん……部屋に送りますから……」
これ以上ステラを汚されたくない。
しかし、ステラは自室に戻るのを嫌がった。
仕方なくキアルリアはステラをギルフォードの部屋に連れて来る。
「ギルフォード兄様、キアルリアです。義姉さんを連れてきました」
部屋の前から声をかけると、ギルフォードが驚いた顔で出てきた。
そのギルフォードの目に写ったのは、申し訳なさそうなキアルリアとぐっすり寝ているステラを抱いたアース。
「私のステラにむやみに触るな」
「仕方ねぇだろ。落としてもいいのか?」
2人のやり取りをキアルリアはきょとんとして見ている。
「何かありました?」
なんだか仲良し……キアルリアにはそう見えたらしい。
「「別に」」
しかも、声まで揃えて否定。
ギルフォードは顎を動かしてアースを中に入れ、寝室のドアを開ける。
ゆっくりとステラをベットに降ろしたアースは優しく布団を掛けた。
「ご苦労」
「いいえ」
お互い素っ気なく挨拶するとアースはさっさと部屋を出ていく。