マリッジブルー-6
その夜。
キアルリアの快気祝い、という名目で女子達がキアルリアの部屋に集まっていた。
メンバーは、キアルリア、ステラ、リン、ミヤ、サイラ国の第2王女イズミ。
「やあだ……色気もへったくれもない部屋ねえ……」
リンは部屋に入ると、キアルリアの武器コレクションを見て顔をしかめる。
「アースとおんなじ反応するのやめて下さいよ……なんかムカつく……」
「あぁら、ヤキモチ〜?そうよねぇ〜キャラ以上にあの子とヤってる女なんてアタシ以外に居ないものねぇ〜?」
「えぇ?!どういう事ですの?」
リンの発言にイズミが食いつき、ガールズトークはまさかの下ネタ満載の下品な内容へと発展した。
男性経験の少ないステラは恥ずかしがりながらも、情報を得ようと真剣に話を聞く。
イズミは濡れやすいがイキ難いだの、リンは経験が多すぎて刺激が足りないなど、それぞれに悩みがあるようだ。
「ステラ姫はどうですの?」
大分、酔っぱらったイズミがステラに話をふる。
「わ、わたくしですか?」
「ギルフォード様はどんな風に抱いてくれますのぉ?」
んふふ〜と笑いながらイズミはステラに絡み、困ったステラはキアルリアに視線を向けた。
「どうって……普通……ですわよねえ?姫様?」
ゴバァッ
いきなり同意を求められたキアルリアは、飲みかけていたリキュールを盛大に吹き出す。
「な、な、な」
なんで聞くのか、とキアルリアは吃りつつ焦る。
「昼間アース様に聞きましたもの。ギルフォード様と寝た事ありますでしょ?」
実はあの後、アースはキアルリアとギルフォードが寝た事もばらしていた。
咳き込むキアルリアに全員の視線が注がれる。
「う……寝たけど……」
「まあぁっ!姫様!わたくしそんな淫乱にお育てた覚えはありませんわ!!」
ミヤが叫んでリンの胸に抱きついて泣き出した。
「いや、育てたのミヤじゃないし……淫乱って……」
号泣するミヤの背中を撫でながらリンは大爆笑する。
どうやらミヤは泣き上戸のようだ。
「誰と寝ようといいじゃない〜でぇ?他には誰と寝たのよぉ〜?」
白羽の矢が自分に向いてしまい、キアルリアは恨めしそうにステラを見る。
ステラはペロリと舌を出して悪戯っぽく笑った。
ヤキモチのちょっとした嫌がらせは大成功である。