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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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マリッジブルー-2

『なーにやってんだか……』

 自分の分身と、かつて愛した女のイチャつきぶりにグロウは呆れる。

「嫉妬とかしませんの?」

 グロウは元々はアースであり、溢れた魔獣部分を分離させた存在と聞いている。

『分離された時点であいつと俺は完全に個々の存在だ。確かにキアルリアを愛していた記憶はあるが、俺自身は他に好きな女が居る』

「そういうものですか?」

『実際そうなんだから、そういうもんなんだろ……おーい、アース!キアルリア!』

 話を打ち切ったグロウは庭でじゃれてる2人に声をかけた。

「!グロウ、義姉さん」

 急にピタリと止まったキアルリアに、避けきれなかったアースがぶつかる。

「どわっ!!」

「きゃっ」

 2人は絡まって芝生の上に転がった。

『……阿呆……』

「アース!重い!」

「急に止まるな、馬鹿」

 キアルリアを押し倒したアースは、言い合いをしながらもどさくさに紛れてしっかりキスをして体を離す。

「んもぅ」

 顔を赤くしたキアルリアは軽くアースを叩いてステラ達に向き直った。

「ステラ義姉さん、おはようございます」

「おはようございます、姫様。具合はもうよろしいんですの?」

 熱を出して寝込んでいると聞いていたのだが。

「ご心配おかけしました。もう、大丈夫です」

 にっこり微笑むキアルリアにステラの胸がチクリと痛む。

『アース、ステラの護衛を頼んでいいか?キアルリア、ラインに挨拶してねえだろ?』

「あ」

 体調が戻ったならまずは国王に挨拶だ。

『俺はリンに話があるんだ。一緒に行こうぜ』

 グロウはそう言ってステラを見上げた。

『アースに話してみろ。少しは役立つだろ』

 3階ぐらいの高さのテラスから飛び降りたグロウは、ストンと音もたてずに着地する。


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