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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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マリッジブルー-15

「ぐ……うぅ……」

「はぁ……あぁ……熱い……それに……たくさん……」

 未だにビクビク動く胎内のモノを感じたステラはうっとりと声を出す。

「はぁ……孕ませてしまったかな?」

「ふふ……姫様似の男の子がいいですわ」

「そこは私似と言う所では?」

「だって……姫様かっこいいんですもの」

 兄妹なのでキアルリアに似ていたら自分にも似ているのだろうが……なんだか釈然としないギルフォードなのであった。


 少し時間を戻して……。

「何だその可愛くないウサギは」

 先に行っていたアースはキアルリアが抱いているぬいぐるみに目を止めた。

「ワタシ、キアルリア。ギルフォード兄様ガカエシテクレタノ」

 キアルリアはウサギの手をヒラヒラ振り、ふざけて答える。
 アースは片眉を上げてキアルリアに視線を移し、ため息をついて頭を抱き寄せた。

「……決着ついたのか……」

 アースだって気づいていた、2人がお互いに燻っていた事ぐらいわかる。
 ただ、これは2人の問題であり解決するのも2人……しかし、気が短いアースはギルフォードを揺さぶって消火の手助けをした。
 結果、キアルリアが少し泣く事になってしまったが……仕方の無い事だ。

「未練がましいよな」

「まぁしょうがねぇだろ」

 別れ方が中途半端だったのが燻った原因。
 しかし、これでキッチリと片もついた。

「ヒメサマ、アタシモぜびあニツレテイッテネ」

 アースはウサギの手を持ってキアルリアの頬をぺちぺち叩く。
 キアルリアは笑ってウサギにキスして、アースを見上げた。
 その笑顔はすっきりと晴れた空のよう……アースはキアルリアに軽くキスをすると肩を抱いて部屋へと戻って行った。


 1週間後……結婚式も無事に終わり、ファンの重鎮達の説得も兄2人が頑張ってくれてキアルリアもゼビアに行ける事になった。
 しかし、何もかもが急なので体裁を整える為にアースとキアルリアは1ヶ月程ファンに残る。

「分かってるな?アース、お前ぇの身分は俺が握ってんだ……それに、何かあったらゼビアだけじゃあねぇ……ファンにまで泥を塗る事になるんだ、くれぐれも……」

 ゼビア国王が戻る日、アースは国王にネチネチと釘を刺されていた。
 初対面でファン国王、ラインハルトを殴った前科を持つアースとしては、大人しく聞いているしかない。
 アースとベルリアの代わりににゼビア国王の護衛につく事になったリンに、ステラがそっと近寄った。


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