パブロフの犬-1
広いリビング。カーテンも閉めきった、家具のない空き家のような部屋。
その部屋の中心に、数人の男が群がっていた。全員が裸で、何かを覗き込むようにして腰を下ろし、時折隣に話し掛け笑いあっていた。
その男たちの中央、布団の上。女が仰向けにされていた。タオルで目隠しをされた顔。歪んだ口元に荒い呼吸、時折しゃくりあげる様子から泣いていると分かる。両手をそれぞれ左右に腰下ろす男のたちに押さえつけられていた。制服の胸元がシワだらけになっているのは、ここに連れ込まれる間に乱暴に揉まれたからだ。
「あー、出そう出そう」
と息も荒く言うのは、女の脚を持ち上げ腰を打ち付ける男だ。スカートを捲られ露出した陰部に男の物が出入りする。
「やぁだ、やぁだ」
息の詰まった、それでも幼いと分かる声で女が拒んだ。カエルのように脚を開かれ、下腹を突かれるたびに体が揺れる。
「おお、抵抗してる抵抗してる」
右手を押さえる男が楽しそうに言った。女は頭を振り身をよじったが、男たちから逃れることはなかった。
「おい、電マ持ってこい、電マ」
女を突き上げる男が言う。続けて、電動マッサージ器を持ってきた別の男にそれを女の陰部に当てるよう指示をだす。
かさの丸いキノコのような電マが震え、低い震動音を響かせる。す
「痛い痛い痛い」
男の物が出入りする穴の真上、皮に包まれた陰核に震動する電マを押し当てられた女は涙声で言った。
「そんな強く当てる奴があるか。童貞かお前は。タオル敷いてその上から当てろ」
男は腰の動きを止めることなく再び指示をだす。周りの男たちが指示通りにし、畳んだハンドタオルの上から電マを押し当てた。
「ああああ」
女の声が震えた。内腿も震え、跳ねるような動きで掲げられた膝が伸びる。
男たちが歓声をあげた。
「うは、締まる締まる」
その感触を楽しむように、男は物を突き込んだまま動きを止める。
女は震える吐息ような声をあげる。
「ふああああやだやだやだあああんあああ」
全身の筋肉が収縮したような動きで体を震わせ、女が鳴き声をあげる。男の物をくわえたまま腰が浮き上がり、かと思うと男から逃げるようにして震える脚を閉じようとしながら引いていく。
女の中に収めたまま男が笑う。
「まるっきり子供だな」
学生鞄から出てきた学生手帳によれば確か17歳だったか。しかしどこか年齢以上に幼い印象を受ける。
「やぁ……あっ……あああ」
この声のせいか、小柄な体のせいか。
女は小さな子供がイヤイヤするようにして首を振る。
「なぁ、これイかせて良いの?」
タオル越しに電マを当てている男が、女の反応に下卑た笑みを浮かべながら聞いた。
「そうだな、俺もイきそうだし、中出しされながらイってもらうか」
そう答えて、上体を起こしたまま女の腰を掴んで腰を振る。電マが当てづらくなるため上体は倒せず腰は振りづらいが、女の反応を見ているだけでも達するには充分だった。
女は白い首をのけ反らせて深く息を吐いている。全身の筋肉が収縮し震えていた。時折男に掴まれた腰が跳ね上がる。
「ふうううううああああああああ」
だんだんと大きくなる声が絶頂が近付いていることを知らせる。
男も腰の動きを速めて絶頂を迎えようとしていた。
女の体が揺れ、腰が跳ね、声が震えた。
「ああああああ、あっ……はぁ……はぁ……は……」
と、女が一際大きな声をあげ、直後に体の力を抜き深く呼吸し始めた。男に突かれながらも脱力した女は、呆けたように口を開き、電マでの反応も薄く時折体を震わせるだけになった。
「イってる女の子は超可愛いな」
誰かが言った。その時には男は腰を深く突きいれ女の中に精を放っていた。
「お嬢ちゃん、イきながら中出しされるのは気持ち良かったかい? おい、電マはもういいって」
聞こえているのかいないのか、女は返事をしない。電マが離された後も、余韻が残っているのか不意に痙攣を起こす。
「ふやぁぁぁ……あっ……はぁぁ……」
疲れきった様子でグッタリとしている女から、男は腰を引いて自分の物を抜いた。
「よし、次の奴やって良いぞ。ただし、中出しする時は必ず電マでイかせろよ」
息も荒く指示をだしながら、男は女から離れた。女の淡い桃色の陰部から、薄く赤の混じった精液がトロリと溢れ出す。
「何でわざわざイかせるんだ?」
別の男が女に覆い被さったのを尻目に、男は床の上に腰を下ろして質問に答えた。
「パブロフの犬さ。そのうち電マ使わなくても中出しだけでイくようになる。面白いぞ」
楽しみだ、というように笑う。
空き家のような広いリビング。
男たちの笑い声、電マの震動音、小さな女の声。
しばらくは、止みそうになかった。