第1章-1
その別荘は、私が周到に準備した別荘だった。
場所は人里離れた場所であり、人の出入りが少ない場所だけに都合が良い。
親が残した財産を資金にして、更に自分の事業で金を稼いだ。
何年も掛けて構想を練り、
自分で設計して建てただけに、大いに気に入っている。
施工については、信頼のある業者に頼んだから安心だった。
とにかく、金は掛けた。
建築確認が必要であり、苦労した。
その造りが尋常でないことは、それを見ただけで分かるからだ。
何故なら、地下室には奴隷の為の鉄格子で出来た部屋があり
責める為の道具も豊富に置いてある。
幾つかある各部屋は、それぞれに私が考えた調教の部屋だからだ。
各部屋にはそれに相応しい名前を付けてある。
「吊しの部屋」、「叩きの部屋」、「浣腸の部屋」更には
「レイプの部屋」、「放水の部屋」、「水責めの部屋」
「火攻めの部屋」等、その調教に相応しい部屋が用意されている。
その他にも屋外で調教する為にも工夫を凝らしており
吊し上げるための大木がそびえ立っている。
もちろん、人を気にすることもないほど、庭は広い。
その他のSMの為に器具等も用意してある。
建物の外見では分からないが、中にはいるとそれが良く分かる。
ここまで言えば分かるだろう。
その別荘こそ、私がずっと温めてきた構想を元に作った別荘だからである。
私はこの建物の名前を付けた。
それに相応しい名前を。
その別荘を「調教の館」と命名したのだ。
我ながら中々良い名前だと悦に入っている。
この建物が出来てから五年は経っただろうか。
その期間に何人かの女達を連れてきて、調教したことか。
時には、私と親しいS男性を招待し、合同で数人の女達を一緒に調教したこともある。
私もその男性に招待されたこともある。
しかし、その程度で私は人の輪をあまり広げる趣味はない。
遊び気分で女達を調教しようとは思っていないからである。
そんな女の数は、指折り数えてみても思い出せない。
どの女達を思い出しても、みな思い出深い女達だった。
今は私好みのM奴隷になっている。
それが何よりも嬉しい。