第1章-6
こうして、まずは一番目の女から手始めに調教することにした。
私の車は恭子を乗せて「紫御殿」というSMホテルへ着いた。
ここは、時々私が女達を調教する為に利用するホテルである。
その手の人ならよく知られており、評判も悪くはない。
何度このSMホテルを利用したことか。
調教用の器具等も用意され、手ぶらで来ても何とかなる。
ホテルの中の駐車場に車を置き、入り口に入る。
しかし、私は必要な道具はしっかりと用意していた。
しなった鞭や縄、手枷、足枷、手錠、バイブレーター、浣腸器具
そして口枷、ボールギャグ等、その他も含め鞄にぎっしりと詰まっていた。
恭子は私の後について来ている。
彼女の顔を見れば、相当に緊張しているのが分かる。
私もこの恭子という女に興味を持っていた。
美しい上にプロポーションも良い。
胸も大きく、服の上からでもムチムチしているのが分かる。
私の経験では、こういう仕事が出来る女には意外とM女が多いのだ。
看護師長、女性管理職、店の経営者等だ。
私が調教し、愛奴とした女にもそういう女は何人かいた。
その女達は、仕事に関しては責任感が強く、いつも心が張りつめている。
心のバランスを保つ為に、心を解放する為に反対の行動を取ることが多い。
その心の表れが、趣味であり、何であり自分らしく生きたい、と思うものだ。
一度経験し、または願望がある女は私のような男を求める。
そして、私の調教を受け、死ぬ程心も身体も痛み付けられたとき
心からの素の女になり、生きる実感を感じる。
その身体の中に、私の鞭で傷ついた痕を白い白衣の中に隠すのだ。
前に書いた看護師長の佐恵子もそんな女だった。
そして爛れた傷を洒落たスーツの中に潜ませ、颯爽と職場に戻る女もいる。
その顔は驚く程明るい、私はそれを見てS冥利に尽きると自己満足するのだ。
今日は、恭子が私の生け贄であり標的でもある。
真っ白な白うさぎが、飢えた狼の前にその肉体を晒すようなものだ。
仕事では顎で男を使い、バリバリ仕事をこなす女ほど、
プライベートでは、とことんまで男に服従されたいのだ。
しかし、普通の男では、恭子を満足させることは無理なのだろう。
厳しく、激しく女を痛めつけ、味わったことのない屈辱感を与えてこそ
本当の女に生まれ変わらせるからである。
仕事ではキャリア・ウーマンとして男並みに頑張っているようだが、今日は違う。
私に試されるM奴隷として私の前に立っているのだ。
M奴隷としての素質を試す、とはいっても手加減はしない。
痛めつけ、これぞSMということを身体で憶えさせるのだ。
それに耐える試練だからこそ、厳しくしなければならない。
これからも、私の愛奴として付いてくる女の為にも必要な関門である。
もし、恭子がそれに耐えられずに逃げ出せば、それはそれで良い。
その程度の女だったということだから。
次ぎに私の調教を待つ女と同じことをするだけである。