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SM地獄
【その他 官能小説】

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SM地獄(4)-1


小野原家の中では、異様な雰囲気に包まれており
この家の主婦の喜美子が、
息子の裕次と夫の健吾によって陵辱されるという展開になっていた。

家政婦の由紀恵は、自分の家の生活の為と思い、仕方なく従っていたが
その光景があまりに凄まじさに圧倒されていた。
それは由紀恵が始めて見た光景であり、目眩がしそうな刺激だった。

始めは、ただ今夜の晩餐のスタミナ料理を作るようにということから
だんだんと雲行きが妖しくなり、気が付いたときには自分もその渦中に入っていた。
逃げようにも逃げられない、その場の雰囲気にただ戦くばかりだった。

しかし、彼女の心の中でどこかでそれを感じ、欲している自分がいた。
凄まじいSMの行為は、美しい女主人に向けられていたが
それがいつしか自分にも向けられていることに気づかずにいたのだ。


その部屋の中で、主婦の喜美子は淫らな姿で縛られていた。
籐椅子で両手を後ろで縛られ、肘掛けに足を乗せて大きく開いている姿。
このスタイルは女性に羞恥心を与えるのには充分だった。

興奮し、汗ばんでいる喜美子の額と、頭の毛先からも汗が噴き出ていた。
綺麗に化粧をした顔は崩れ、てらてらと汗ばんで光っている。
その顔は諦めたのか、口を少し開き気味にしてハァハァと息づいている。
責めで疲れたのか。

それを健吾は見つめ、妻の喜美子を美しいと思った。
ぐったりとした妻の顔を夫の健吾は食い入るように見つめていた。

喜美子の目が定まらず、虚ろでとろんとしたその顔は妖しく、淫らだった。

結婚した当時は、この若い妻を良く抱いたが、それも短かった。
もともと好きで結婚した訳でなく、自分の会社の事務員だった喜美子に手を出し、
それがばれて問題になり、今はいない健吾の父親にたしなめられて結婚したのだった。

その背景には、喜美子の貧しい実家にも関係があった。
喜美子には、四人の妹や弟がいて、
彼等の学費や何やらの費用を捻出しなければならない事情があった。

健吾は一時期にそれに同情し、彼女を妻にし、再婚したのだが、
その最大の理由は喜美子の美貌だった。

目鼻立ちが整い、その美貌は誰よりも際だっていた。
しかし、喜美子はその美しさには似合わず、大人しく穏やかな性格だった。

今までの女遍歴そした女達に比べ、健吾にとってそれは新鮮であり、
喜美子を始めて健吾が抱いたとき、彼女が処女だと思った。


彼女の美貌に男達は手を出せなかった。
それを自分の地位を利用し、手を出したのが健吾なのである。

彼は喜美子を妻にし、彼女の実家に金を工面していた。
今もそれで彼等は生きていくことが出来た。
故に、喜美子は健吾に離婚されては困るのだ。

それが自分の為でなく、実家の可愛い弟や妹たちの為に。
だから、どんなことでも健吾に逆らうことは出来ない。

そして、いつからか驚くほど成長した健吾の息子の裕次にも。



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