禁じられた恋と性(5)-5
未成年の娘をたぶらかし、性的な行為で弄んだとすれば訴えることが出来る。
場合によっては、慰謝料も請求できるのだ。
しかし、トモミがどういう行動をとっていたか、それによっては様子は違ってくる。
トモミが騙されているのでなく、本当に好きなら話は違ってくる。
少なくとも娘が愛した相手なら、その相手を貶めることはしたくなかった。
どんな下心があったにせよ、娘が愛した男である。
どんなことをし、どんな愛し方で娘に接したのか江梨子は知りたかった。
「でも、始めにホテルへ誘ったのは私なの、ママ」
「えっ?」
江梨子は自分の耳を疑った。
最近のニュースなどでは、
大人の男性が携帯サイト等で少女との援助交際等が行われているとは知っていた。
しかし、自分の娘にはそんなことは関係ないと思っていた。
江梨子は娘が遠い所へ行ってしまったような思いがして、目眩をしそうだった。
(でも、ここで負けてはいけない、本当のことを知らなくては・・)
江梨子は、これからの自分の出方で娘の将来に何かが起こることを怖れていた。
そして、自分を奮い立たせ、冷静に振る舞おうとした。
「それで、いつもどこで逢っていたの?」
「うん、いつもの駅から、一つ前の駅のラブホテルなの・・」
「ラブホテル・・」
オウムのように江梨子はその言葉を聞き返した、
愛する娘からそのような言葉が出るとは思っていなかったからである。
「時間はいつもどのくらい?」
「ええと、二時間くらいの時もあれば、四,五時間のときも」
「まあ、そんなに・・ちゃんと避妊はしているんでしょうね」
「うん、勿論よ」
トモミは安全なときには生で挿入しているとは言えなかった。
「トモミはその人が好きなの?」
「好きよ」
「まぁ・・」
江梨子は、トモミと私との関係がどのような程度なのか知りたくなった。
若い娘を、これほどまでに熱狂させる男を知りたかったのだ。
それ以外にも、人がどのようなセックスをしているかも興味があった。
江梨子は女であり、
愛する娘の性体験を通じて、何かを得たかったのかもしれない。
忘れていた女という自分を意識し始めていた。
江梨子がやっている小料理屋では、男性客が多いが、そんな話題は余り無いし
彼女が美しいうえに品があり、優しいのでエロチックな話題はそうそう出来ない。
しかし、彼女の心の中では興味があった。
そんなときに、日増しに大人の身体に成長していく娘が眩しかった。
その娘が性的な経験をしていたとすれば、聞かないわけにはいかない。
二人だけの親子だし、江梨子が娘を愛していたからである。