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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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双星の魔導師と巫女-2

「はぁ……あぁ……出てますわ……」

 胎内に注がれるものにミヤはうっとりと声をあげる。
 成長速度が遅い種族の2人は子供を望んでいた。
 ベルリアは外見的には30代後半だが、実は100歳以上。
 ミヤは20歳ぐらいに見えるが、50歳を越えている。
 こういう種族は10歳までは普通に歳をとるが、それからは大体5年に1歳のスピードで成長するようだ。
 そんな2人にとって子供を作るのはとても勇気がいる……子供にも自分達と同じ苦労をさせてしまうのだから。
 しかし、今2人は自分達の成長速度に感謝している。
 長い人生のおかげで沢山の経験と知識が得られるし、沢山の人達に出逢えた……そして、愛する人とも……。
 その幸せをぜひ子供にも教えてあげたいと思っているのだ。

「ミヤ」

 ベルリアはしがみついたままのミヤに少し擦り寄る。

「はい」

 気だるそうに返事をしたミヤの肩に唇を落としたベルリアは、小さい声で囁いた。

「愛してるよ」

「わたくしも……愛してますわ」

 ふふふ、と笑い合って幸せな時を過ごしているというのに、無粋な音がその時間をぶち壊す。

コンコン

「ミヤ様、姫様がお目覚めになられました」

 召し使いの声にミヤは急いで結合を解いて身支度を始めた。

「直ぐに参りますわ」

 戦いの中心となって頑張り過ぎたファンの姫君キアルリアは、オーウェン達の葬式が終わると同時に熱を出して昨夜から寝込んでいたのだ。
 看病はベルリアの養子で、キアルリアの恋人でもあるアースがしてくれている。
 だからこそ、今ゆっくりとした時間が過ごせたのだ。
 身なりを整えるミヤの横でベルリアも身支度をし、2人はキアルリアの自室へと向かう。


「姫様、ミヤでございます。失礼してもよろしいですか?」

 ドアをノックしたミヤは中に声をかけた。

「ん〜…いいよぉ……」

 物凄くだるそうなキアルリアの返事に、まだ調子が悪いのだろうか、と表情を暗くしたミヤがドアを開ける。

「姫様?」

 奥の寝室を覗いたミヤはぐっしゃぐしゃのベットの上で、半身を起こして頭を掻いているキアルリアを目撃した。

 しかも、全裸で。

 そして、その横で惰眠を貪っているアースも全裸……調子は……絶好調のようだ。

「はしたないですわよ。身なりを整えてから入室の許可を出してくださいまし」

「ん〜…ミヤだから……」

 大きく伸びたキアルリアは、ふとミヤを見て背後に居るベルリアに気づいた。


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