双星の魔導師と巫女-15
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「そんなわけでウジウジと悩んでいた男らしくない私に、ミヤは自ら飛び込んできてくれたんだよ」
話を締めくくったベルリアは、キャラから少し離れて全体のバランスを見る。
もちろん絡みの部分は削除して話した。
「よし、どうだい?綺麗にカット出来てると思うけど?」
ベルリアは散らばった髪を魔法で消し去って片付けながら聞いた。
「わあ……ありがとうございます。ホント上手ですねえ」
後ろは短く揃えられ、フロントとサイドは長めに残してある。
これなら編み込みをすればドレスにも合う髪型が作れるだろう。
「気に入ってくれて良かった」
「お、そっちも終わったか?」
治療を終えたアースとミヤが寝室から出てきた。
「どう?」
アースに髪型を見せたキャラは首を傾げて聞く。
「ん、綺麗だ」
アースは微笑んでキャラの頭を撫で、キャラはくすぐったそうに笑った。
「あ、それで?その後どうなったんですか?」
「何の話だ?」
「私とミヤの話だよ」
「あら」
ベルリアはキャラにした話を簡単にして、続きを話す。
「それから6年ぐらいゼビアに居たんだっけ?」
「ええ、エリーの3番目の赤ちゃんを取りあげたのが1番感慨深いですわ」
エリーと聞いたアースは顔をひきつらせた。
「エリーの3番目って……エンじゃねぇか」
「ぅえっ?!」
アースの突っ込みにキャラは驚き、ミヤは両手を頬に当ててうっとりと思い出す。
「ああ……懐かしいですわ……産まれた瞬間にあの子ったら、口から火を吹いたのよね……」
ミヤの言葉にアースとキャラは更に顔をひきつらせた。
「それがあんなに立派になって……」
うるうる。
「いや……まあ……立派っちゃ立派だがな……」
なんてはた迷惑な赤子だ……。
「お妾様が御懐妊なされたと聞きまして、急いでファンに戻りましたの」
それから20年間、週1の鏡連絡と月1の転移による会瀬を重ねてきた。