第二章―3-8
いきなりの言葉に二人は驚いた。
今は夜の9時。学生である二人としては寝るにはまだ早い時間。
戸惑う二人を尻目に、零は着ていた薄手のジャケットをベッドの柵に投げ捨てた。
「・・あの、零?さすがに早いんじゃ・・」
今にも寝そうな勢いの零に、声をかける。
すると、しばらくの間があってから、振り返りはせずに、
「どうせ朝も料理手伝うだろ。なら、さっさと寝て早めに起きた方がいい。」
その言葉に理解が遅れた二人だが思考回路が安定し、言葉の把握ができると、笑顔が溢れた。
「・・うん!」
瑞稀は嬉しそうな顔で頷いた。
「とか言って、からかわれるのを逃げる為の理由だったりしてね」
そう茶化した恵梨も、瑞稀と同じ嬉しさを持ち、笑顔だった。
一方、零は言った事に恥ずかしくなったのか、瑞稀達の言葉を聞くとベッドに潜り込んでしまった。
それを見た二人も、もう一度笑うと、それぞれのベッドに入った。
「おやすみ、恵梨、零」
「おやすみ〜」
「・・・あぁ。」
こうして、夜は更けていった・・。
第二章 end