第二章―3-7
零はまだ根に持っているのかうんざりした顔で瑞稀を睨む。
睨まれた瑞稀は何も見なかったかのように無視。そして本来の目的を聞く。
「・・で、シオン君に思いっ切り警戒されてるんだけど」
「・・どうしようもない、開き直ろうよ」
「ちょい、開き直らないでよ」
冗談につっこむ恵梨と瑞稀のやり取りを呆れて見てられなくなった零はもう一度ため息をついた。
「・・とりあえず、また明日情報収集する。15年前に何があったか・・もう一度分かる限り収集する。」
「もし、ダメだったら?」
「え、ダメ前提?」
恵梨の質問に戸惑いを見せる瑞稀。零は首を振った。
「そのときはシオンの情報に頼る他無い。もしくは、この街での情報収集を諦める。」
「でも、この世界の情報はシオン君が一番なんだよね。もう一回、シオン君と話したいなって思うんだけど・・」
「ウチもそれ必要だと思うよ、零」
瑞稀の発言に、恵梨も賛同。意見が合致した二人は視線で零に訴える。
さすがにそれには勝てないのか、彼も必要と思っているのか・・。溜め息をついて、
「わかった。」
それだけ言うと、もう一度溜め息をつく。
零の賛同も得た二人は小さくハイタッチ。
素直に慣れないからか、居心地が悪くなった
零は立ち上がった。
「話はまた明日だ。もう寝る。」
「「え?」」