第二章―3-6
「じゃあ、部屋はココを使って?一応、広めの部屋だから」
「ありがとうございます!」
「助かります」
「・・・・」
夕飯の片づけを終わらせた瑞稀達は自分達がこれから使う部屋に案内してもらった。
その部屋は少し広めで、両端に二段ベッド。
中央には窓があり、今はカーテンが閉まっている。他にも、小さなクローゼットが一つずつベッドの奥に置いてあるシンプルな部屋。
机は折り畳み式の小さなモノが置いてある。
「じゃあ、明日も宜しくお願いするわ。あ、お風呂は台所の隣にあるから自由に使って頂戴ね。バスタオルは置いてあるのを使って、使ったら洗濯機に入れておいて。」
「色々、ありがとうございます!」
瑞稀がもう一度お礼を言うとシングルマザーは微笑んでから部屋を出た。
「・・さて、とりあえず・・」
「状況整理だな・・」
零が本日何回目か分からないため息をついて机の横に、ベッドに寄りかかる形で座った。
恵梨、瑞稀も同じようにして座った。
「結構大事になっちゃったなぁ・・」
「まぁ、おかげで宿屋探さなくて良くなったから結果オーライだよ!」
瑞稀が軽く伸びをしながら恵梨の言葉に付け加える。実は言うと、宿代を持ち合わせていないというのは真っ赤な嘘。
「その代わり、働かされてるけどな」
「いいじゃん、働くのって楽しいし」