第二章―3-5
突然話したかと思いきや、その場全員を驚かせる発言。一番驚いているのは言い当てられたシオン。
「何で、知ってんだよ・・」
「ある人物から一度聞いた。少年の集まりにしては最高の情報屋だと。それをまとめているのが一番情報収集に長けているシオンという名前の少年だとも・・」
その言葉に瑞稀と恵梨は、一つピンと来た事があった。零が話を聞いた人物はアルティナの事じゃないかと。全く保障は出来ないが。
だが、その零の説明が当たりのようで、シオンから警戒しているオーラが見て取れた。
瑞稀は、これ以上の警戒はマズイと感じた。
そして話を変えようと、
「じゃあ、稼ぎって・・」
ふっと浮かんだ疑問をシオンに問う。
シオンは問うた瑞稀に答えた。
「・・情報を、売ってる」
もはや、この年頃の少年が発する言葉じゃない。ましてや、情報屋なんて・・。
瑞稀は改めて、この世界が自分の居た世界とは全く違う事に気づかされた。
「・・じゃあ、お疲れだねぇ。だったら、今日はもう休んだ方がいいね〜。」
恵梨が場の空気を変えるかのように明るく言った。今、まともな空気に戻せるのは恵梨しかいなかったからだが。
「あ・・うん・・。」
「さ、早く食べよ♪」
シオンは恵梨の言葉に従って席につき、シチューを食べ始めた。その様子を見た恵梨達も食べ始めた。