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ヴェリアス
【ファンタジー その他小説】

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第二章―2-9


「ここが孤児院か・・」

瑞稀たちは街の住人に教えてもらったシオンが住んでいるという孤児院に来ていた。
街の外れにある大きめの建物で、教会の隣に位置する。敷地も広いし、子供の遊び場にもうってつけだろうというのが第一印象だ。

「・・面倒だ」

少しだけ機嫌が直った零がため息をついて言った。よっぽど情報屋の存在が嫌らしい。その様子を見た恵梨が目の前の孤児院を見て零に向かって言った。

「でも、バングルの情報を持ってるかもしれないし、15年前の事も何か知ってるかもしれないんでしょ?」
「15年前の情報で進展があれば、早く光の精霊が保護出来るんだから・・ね?」

瑞稀が零をなだめるように言った。その言葉を聞いた零はもう一度ため息をついて、言葉を続けた。

「別に行かないなんて言ってない。」

そう言って孤児院のインターホンを押す零を見て恵梨と瑞稀は顔を見合わせて小さく笑った。



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