第二章―2-6
{商家の街〜クォーツ〜}
「わぁ!おっきい!」
二日間かけて、街に着いた途端、瑞稀が歓声を上げた。恵梨もそんな瑞稀の斜め後ろで少し喜びの表情を見せた。そんな2人を後ろから見ているのは零。
「おっきい!凄いね!」
「さすが商家の街、だね〜」
まるで小さい子のようなはしゃぐ瑞稀とは対照的に落ち着いた様子で喜びを見せる恵梨。
零はため息をついた。
「たかが街だろ・・。何でそこまで興奮するんだ・・」
「だって凄く大きいんだもん!」
零の呆れた発言も今の瑞稀には全く通じていない。むしろ、更に興奮させている。
「まず、どこに行く?」
「そうだな・・。とりあえず、情報収集が目的だ。街の人に話を聞く」
比較的に落ち着いている恵梨が零と相談。
「瑞稀、とりあえず話聞きに行くよ?」
「うん!!」