第二章―2-3
「・・・アイツ・・」
《見透かされてるね・・。だから大丈夫か聞いたんだけどなぁ・・》
グランドは姿を見せず、バングルから声をかける。零は戸惑いながらも袋から取り出し、一口パンをかじる。
小さく切なそうな笑みを見せた。
「何であまり食べてないって分かったの?」
「え?あぁ・・まぁ、さっき言った事もなんだけど・・」
そこまで言うと小さく笑ってから悲しそうな顔を見せた。
「・・郁真と、同じだったから・・。ウソつく時の仕草が・・。比べちゃいけないんだけど、つい・・」
「郁真君と?・・何でまた嘘なんか・・」
瑞稀は零に聞こえていないか気にしたが、振り返る事は出来ないのでそのまま続けた。
「いつだったかな・・多分、小6の時だったんだけど・・」