第二章―2-10
「まぁ、こんなに大きい子達が来るなんて」
「え?あ、いや、そうじゃなくて・・」
シングルマザーに歓迎され、広い客室に座らされた三人は紅茶に手をつけながら説明をした。もちろん、神殿やバングルの事は言わないが15年前の事の情報を知りたい事を主に説明した。
その話を聞いたシングルマザーは最初こそは驚いた表情を見せたが、やはり慣れているのか黙って聞いていた。
「・・っていう訳なんですけど・・」
「そう・・。絶対の情報が欲しくてシオンを訪ねてきたのね。でも、シオンは今居ないのよ。ごめんなさいね」
「いや、大丈夫です。いきなり押しかけたのはウチらですし・・。」
「夕飯の頃には帰ってくると思うわ。」
シングルマザーはそう言ってゆっくり微笑んだ。その微笑みに安心した瑞稀はそれに続けた。
「それで、もう1つお願いがあって・・しばらくココに泊めさせてもらえませんか?」
「「は?」」
「・・それはまた、どうして?」
瑞稀のいきなりの発言に恵梨と零が驚きの声を上げた。
「私達は色んな理由があってこの世界を旅し始めました。でも、やっぱり情報不足で。だから孤児院に居るシオン君を訪ねたんです。宿代もあまり持ち合わせてないですし・・」
そう瑞稀が説明すると、シングルマザーは腕を組んで考え出した。一方の恵梨と零は瑞稀の考えている事に納得したようなので何も言わずに瑞稀や、シングルマザーを見ている。