第二章―1-1
「お待たせ。恵梨、零」
そう言って派手な登場をしたのはさっきまで気を失っていた瑞稀。その登場に恵梨は驚きを隠せなかった。
「え・・瑞稀、大丈夫なの・・?」
「うん。心配かけてゴメン。」
力強く頷く瑞稀。恵梨は心から安心した。
「発動、出来たみたいだな。」
「おかげさまで?」
皮肉を込めて零に言ったが、本人には全く通じていなかった。
「恵梨、少し休んで。代わる」
そう言って、瑞稀は恵梨の目の前に背を向けて立つ。
「え、でも・・瑞稀だって本調子じゃないんじゃ・・?」
「まあ、まだ背中痛いけど恵梨よりはマシだよ。・・限界、でしょ・・?」
そう言ったと同時に瑞稀のバングルからネクロティアが出てくる。
それを見た恵梨は一瞬驚いた。
《ウンディーナ、彼女を休ませて下さい。》
その言葉に恵梨のバングルからも、ウンディーナが出てきた。
《う〜ん、そうさせてもらおうかな〜。そろそろ倒れそうだし〜・・》
「ウンディーナ・・瑞稀、ゴメン・・」
ウンディーナの言葉に少し傷つきながらも、自分の目の前に立つ親友に謝る。
親友の謝罪に、意味が分からなかった瑞稀は頭に?を浮かべた。