第二章―1-9
起きてすぐは食べられないんだよねと思いつつ、しぶしぶ席に座った瑞稀だが、テーブルに置いてあるモノを見た瞬間笑顔になった。
「わぁ!クリームスープだ!」
「こっちには瑞稀の好きなミニトマト。」
そう言ってトマトの皿を差し出す恵梨の顔は笑っていた。
笑顔で受け取る瑞稀はテーブルの横に立っていた零が気になった。
「零は?食べた?」
「・・俺はもう食べた。」
そっぽを向いて答える零になんとなく、心にひっかかるモノを感じた瑞稀。でも、深くは突っ込まない事にした。
「さっさと食べて出発するぞ。アルティナから、地図と資料を受け取った。」
「そういえば、アルティナさんは?」