第二章―1-5
「大丈夫?」
「恵梨こそ。回復出来た?」
「ウチは終わってるよ。にしても、凄かったね、あの術・・」
「そう・・?」
いまだに戸惑いがある瑞稀には、はっきりと答えられない。
そこへ、アルティナがやってきた。
「お疲れ様でした。お二人を、部屋へご案内します。どうぞこちらへ・・」
そう言うとアルティナは歩き出した。
瑞稀と恵梨は零に「じゃ、また」と声をかけると、荷物を持ってその後に着いていく。
零は2人を見た後、バングルを元に戻そうとした。その瞬間、バングルから出てきたのは蜘蛛みたいな精霊。
《・・いいの?彼女達と一緒で・・。今ならアルティナに言えば・・》
「・・いいよ、別に。それに、どうせ俺には選択権が無い。言っても無駄。」
そう言って首を振る零を見た“地”の精霊・グランドは心配そうに続けた。
《でも、彼女・・瑞稀ちゃんは・・。》
「それ以上言うなよ、グランド。言ったら、この場に置いて行く」
《わ〜!言わないから!!》
グランドの反応に小さい笑みをこぼした零。
その笑顔を見てグランドは少し安心した。