第二章―1-4
零に向かって黒い光をまとった丸いモノが何発も飛んでいく。
「くっ・・」
なんとか全部当たる事は防いだが、あんなに至近距離で当たらないという事はさすがに戦い慣れている零でも無理だった。急所以外、見事に当たってしまった。
「くっ・・・」
すでに限界だった身体に、当たる弾。
倒れさせるには充分だった。
「零・・。もう、やめようよ」
「・・・あぁ・・。元々、お前らの修行だったしな・・」
意外にも、すんなりと終わった。この修行は瑞稀と恵梨のバングルを発動させる為。
つまり、精霊と契約させる目的だった。
「零、大丈夫・・?」
「あぁ。にしても、今の精霊術は・・」
「あ、あれは・・なんか出来ちゃったみたいで・・」
自分でもよく解っていない。ただ、セリフが頭に浮かび、術自体も、ポヤ〜ッと頭に浮かんだだけ。
「・・そうか。」
「瑞稀!」
瑞稀の言葉に零が納得した所で、回復した恵梨が2人に駆け寄る。