第二章―1-2
「何で謝るの?恵梨はこんなになっても守ってくれたし・・だから、私が謝らなきゃいけないのに・・ゴメン、ありがと。」
恵梨の手を取って笑顔を向ける瑞稀。
その笑顔に安心した恵梨は前に倒れ込んだ。
すかさず、瑞稀がキャッチ。
《瑞稀だったよね〜?恵梨は私に預けて〜。
アンタはあの子をギャフンといわせて〜》
ウンディーナの言い方に一瞬驚いた瑞稀だったが、すぐに笑って恵梨をウンディーナに預けた。
「グランホール!」
預けた瞬間に零の声が響く。瑞稀はさっきと同じように避ける。否、さっきと違ったのは、風に巻き込まれて身体を壁に叩きつけられなかった事。
「・・!」
「さすがに二度も同じ手は食らいたくないんで。痛いし。」
瑞稀は飛ばされた時、アーチバトンの遠心力を使って綺麗に着地。
そして、そのまま零に向かって行った。
「・・!(速い・・?)」
「貴方は、やっぱり郁真じゃないの・・?」
その言葉には、もう返ってくる答えが分かっているのか悲しみが込められていた。