第一章―2-1
「では、“バングル”をお渡しします。」
そう言うと、椅子の横に立っていた一人が縁台を持って2人の前に立つ。
「七瀬恵梨には水属性の“リング”を。東條瑞稀には闇属性の“ブレスレッド”を。」
「あ・・」
瑞稀と恵梨の前に差しだされるバングル。
「さあ、お受け取り下さい」
二人はそれぞれのバングルを受け取った。
「私が・・ブレスレット」
「ウチはリングかぁ。」
「戦いはスリーマンセルでやって頂きます。
その為、私から一人紹介させて下さい」
アルティナがそう言うと、後ろから足音が響く。瑞希と恵梨がゆっくり振り返る。
「・・・」
振り返った先に居たのは瑞希達と同じ位の、だが、雰囲気はずっと大人っぽい。
銀色の髪。青と白のジャケットを着て黒のレザーパンツが、身体の細さを物語っている。
その少年が・・そっと顔を上げた。
「・・え?」
「瑞稀?」