第一章―2-9
《あなたの心の叫び・・見つけました》
否、一人だけ居た。
“闇”のバングルに居る身・・精霊が・・。
「・・え・・?」
《初めまして・・。》
ブレスレッドから出てきたのは黒い獣みたいな精霊。
「あなたは・・?」
《僕は精霊“ネクロティア”。ダークという名で神殿に封印されていた所、この“ブレスレッド”へ移動したのです》
ネクロティアの容姿と言葉にただ驚く瑞希。
「ネクロティア・・。何で・・今・・」
《貴方の心の叫びを見つけました。それが僕と契約する条件でもあります。では、改めて・・・瑞稀。僕と契約しますか?》
ネクロティアは瑞稀に問う。
一方の瑞稀は・・戸惑っていた。
「(私が契約したら・・何があっても、当分人間界には戻れない。でも、バングルは使える・・。)」
チラッと前に向き直る。
瑞稀の視線の先には限界を超えても尚、戦っている恵梨、四苦八苦しながら戦っている零が居る。
「(恵梨は覚悟してる。私だって、いつまでも甘えていられない・・。守られてるだけなんて、嫌だ!)」
ネクロティアをしっかりと見据える。
そして、口を開く。
自分の覚悟を見せる為に・・・。