第一章―2-7
青色の澄んだ身体はふわふわ浮いている。
零がコレの登場に驚いた。
《え〜っと。君!》
「え・・?ウチ?」
《そ〜。君〜。名前は?》
指差された恵梨は戸惑いながらも答える。
「七瀬恵梨・・。あなたは?」
《私〜?私は〜ウンディーナ。精霊。ウォーティって名で神殿にいたのを〜、このバングルに入れられて〜手助けしてるのよ〜》
「せ、精霊!?」
恵梨は初めて見るモノに驚く。
一方、無言でただ見る事しか出来ない零。
ウンディーナはその零に視線を向けた。
《ね〜、そこの男の子〜》
「・・・何だ」
思わず、低い声で返す零。
《グランドも一緒〜?あなた、“地”の神殿主でしょ?》
「・・え?」
恵梨は零を見る。
「・・いるけど、それがどうした?」
零がそう答えると、ウンディーナは何かを考えたようで、恵梨に向き直った。
《まあ、いいわ〜。・・恵梨。私と契約しない〜?バングル、使わせてあげる》
「え!?」
「なっ!!」
ウンディーナの突然の要求に驚く2人。
構わず、ウンディーナは続ける。
《あの子を〜、助けたいんでしょ〜?守りたいんでしょ〜?貴方となら、息ぴったりになれそう〜》
「・・・・」
零が無言で恵梨を見る。恵梨は一回ウンディーナを見た後、倒れている瑞稀を見る。
「(・・瑞稀ばかり、無理はさせない・・。
ウチにも出来る事しなきゃ・・!)」
そう、決めた・・。