第一章―2-10
「ハァ・・ハァ・・」
「・・くっ・・」
ずっと戦い詰めの2人。いくら鍛えているとはいえ、とっくに体力の限界を恵梨は感じていた。
「(やばい・・さすがに・・もう・・)」
ふらふらの恵梨は立っているのがやっと。
一瞬でも気を許したら倒れ込んでしまいそうだ。
「(でも・・瑞稀を守らなきゃ・・)」
そう自分に言い聞かせて再び剣を構える恵梨。
すると、物凄い音がした。
「な・・何・・?」
「・・来たか・・・」
もくもくと立ち上がる煙の中から出てくるのは、一人の制服姿の少女。
それは、先程まで気を失っていたと思われていた人・・。
「瑞稀・・!」
「・・バングル、発動したのか・・」
零の言う通り、瑞稀の手にはアーチバトン。
「・・お待たせ。恵梨、零」
一章 end