第3章-2
その真梨子は顔の近くで、住職の声を聞いた。
「真梨子さん、もう手を戻してもよろしいですよ、横にしてもな」
「はい」
「眼は開けても、閉じとも好きなようにしなさい」
「わかりました」
しかし、真梨子は眼を瞑っていた、
このほうが気持ちが楽なような気がする。
「どうじゃな、気持ちは?」
「はい、気持ちが良いです、痺れてくるような気がしてきます」
「そうか、もう怖いことはないだろう」
「はい、大丈夫です」
「それは良かった、ではそのままで・・続けるのでな」
「はい、お願いいたします、ご住職様」
「うむ・・」
真梨子の上半身は住職が、下半身は芳念が主に治療していた。
それは治療という名のマッサージであり、ペッティングだった。
始めてから30分ほど経っただろうか、
次第にそれは本来の行為に移り始めていた。
芳念は閉じていた真梨子の足をゆっくりと開いた。
思わず、真梨子は小さな声を漏らす。
(あぁぁ・・)
しかし、静寂した部屋の中ではそれ以外の音はしなかった。
ただ、若者と住職の手が真梨子の身体を滑り撫でる音と、
男達のゆるやかな動きの音と、三人のそれぞれの呼吸だけだった。
真梨子はごくりと唾を飲み込んだ。
芳念の手は真梨子の太股の内側を触り、じわじわと下腹部に近づき、
暖かい彼の手は、やがて真梨子の陰部に触れ始めていた。
芳念の眼は次第に熱を帯びてくる。
やがて、その細い指が真梨子の割れ目に走ると真梨子の息は荒くなる。
住職の手は、真梨子の乳房に触れていた。
その手は芳念と同じようにゆるやかで
まるで羽の手触りのように優しかった。
真梨子の股間は開かれ、女の部分を二人にさらけ出していた。
それさえも真梨子は気づかないほど、気持ちは桃源郷を彷徨っている。
始めて感じる女の快楽というもの
止めどもなく押し寄せる不思議な感覚、
それは尿意をもよおしたくなるような感覚であり
体中がしびれ、身も心も解けそうな気持ちだった。
二人の愛撫を受けながら、真梨子は思った。
(こんな素敵なことを私は知ったのね、だから・・)