冤罪の代償-2
そんなある日、七恵が会社を休んだ。七恵の分の仕事もあり、また残業していた京香。もう誰も事務所にはいない。1人きりの状況に、レイプされた日の記憶が蘇る。
「なんでこんな怯えながら仕事しなきゃならないのよ!」
急に悔しくなる。すると急にドアが開く。
「お疲れ〜。」
健太郎が帰ってきた。一気に緊張が走る。
「お疲れ様です。」
犯人と思われる川田と2人きり。怒りの汗なのか冷や汗なのか分からないが、それほど気分が高まり、そして恐怖を感じていた。
暫くパソコンに向かっていた健太郎。するとすっと立ち上がり、京香の方に歩いてくる。
(き、来た…。な、何よ…?またレイプする気…!?)
いざとなると怖くなってきた。どんどん近づいて来る。
「なぁ清水?」
隣の七恵の椅子に座り話しかけてきた。
「な、何ですか?」
「あのな…、これ」
ポケットから何かを出し京香に渡した。それは写真だった。
「あ…!」
それは間違いなくあの日撮られた写真だった。
「やっぱり川田さんが犯人だったんですねっっ!?」
立ち上がり詰め寄る。
「犯人?」
「そうよ!あの日電気消して暗闇の中のこの事務所で私をレイプしたでしょ!とぼけないでよっ!」
怒り心頭の京香。
「お前、レイプされたんか?」
「そうよ、アンタにね!」
「俺がレイプした?お前を?まさか。」
「この写真を持ってるのが証拠でしょ!?」
「これはたまたま事務所で拾っただけだ。」
「嘘つかないで!」
激しく詰め寄る京香だった。