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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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日常-1

アース元気か?

 あんたの事だからゼビアには無事着いたんだろうな。
 あんたらが帰ってから2ヵ月(この手紙が着く頃には3ヵ月かな?)、ファンも大分落ち着いて来たぜ。

 俺は相変わらず親父と漁師やってる。
 クインの活躍でいつも大漁!!あんたのおかげで良い相棒が出来た。

 ありがとな。

 空いた時間でファンの宮廷魔導師になったベルリアさんに魔法も教えてもらってるんだ。
 アースより丁寧で解りやすいぜ?
 カイザスのデレクシス王子も城に滞在して一緒に魔法教えてもらってる。
 暇な時は城下町に遊びに来て、たまに仕事を手伝ってくれたりもするんだけど……まあ、力が無いからあんま使えねえんだけどな……。
 自分の身を守れるぐらいになったら、知り合いの冒険者(バリーだったかな?)と旅に出るって言ってた。
 いつか、ゼビアにも行くんじゃね?

 オーウェン様が死んじゃって、ファンもどうなるかと思ってたけど……ラインハルト様とギルフォード様がちゃんとやってくれてる。

 だから、心配いらないって姫に伝えといてくれよ。

 いつか会いに行くから、アースも姫連れて来てくれ。

 じゃあな。



 ソファーに寝そべって手紙を読んでいたアースは、その手紙をパサリと顔に落とした。
 手紙の隙間から見えるアースの口元は笑っている。
 相変わらずファンはパワフルだ。

「手紙?誰から?」

 バスルームから出てきたキャラが、バスタオルを躰に巻いて髪を拭きながら覗き込んできた。

「ん?ケイ」

 アースは顔の上から手紙を取るとキャラに渡す。
 キャラはそれを受け取り、頭を拭く手を休めずに中身を読んだ。

「……心配してねぇっつうの」

 内容を見たキャラは苦笑いしてアースに手紙を返す。
 アースは体を起こして受け取った手紙をテーブルの上に置き、キャラを自分の足の間に座らせて頭をわしわしと拭いてやる。

「……明日、発つか?」

「ん〜…そうだな……そうしようかな」

 頭を拭きながら聞くアースに、キャラはくぐもった声で答えた。

 キャラの強い希望により、2人は別居する事になっている。
 アースは騎士団の仕事もあり、まだまだ次期国王代理として学ぶ事があるのでこのまま騎士団宿舎で暮らす。
 キャラは魔法の事をもっと学びたい、と魔法学校に復職し、リンと同居する事になった。
 何より、ほったらかしにしてしまった資料室が気になって仕方ないのだ。
 新婚なのに別居というのもどうかと思うし、ファンの姫を1人で放り出すとは何事か、と周囲の反対もあったのだが、アース的にはキャラの好きなようにさせたいと思っている。
 だいたい、反対した所で大人しく言う事を聞く女じゃないし……だったら賛同して行動を把握しておいた方がよっぽどマシだ。
 学校の方にはリンもエンも居るし、グロウも居る。
 ちなみに、グロウはキャラと契約を解除した。
 学校に戻ってどうしてもやりたい事があるらしい。
 アースと分離した後は魔獣が使う魔法しか使えなくなったが、魔導師としての記憶はばっちり持っているので講師として働くと言って、ゼビアに到着すると直ぐに学校の方へ行ったのだ。

 アースはキャラの頭を拭き終わると櫛で髪を梳く。


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