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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-9

『!そっちか!?』

 蜘蛛の足を狙っていた矢は付け根を集中的に攻撃。
 支えが弱くなった蜘蛛はズズンッと大きな音を立てて地面に横たわった。

『チッ』

 舌打ちしたザギはグロウに向き直るが、時既に遅し。
 ファンの兵士が糸を切って2人を助けた後だった。

『助かった』

「サンキュ」

 それぞれお礼を言ってザギを睨み付ける。

『油断ならぬな……』

「人間の団結力ナメるなよ?」

 ザギはぶわりとマントを翻して浮かび、あと1匹の蜘蛛の上に乗った。
 再び襲ってくる白い刃を避けた2人は視線を交わす。
 軽く頷いたグロウはキャラとは反対の方へ走った。
 白い刃はグロウを狙っているようだ。

「キャラ」

 どこからともなくキャラの爺さんが現れて隣を走る。

「婿殿は無事に塊に辿りついた。分解まで30分じゃ」

「婿って……」

 嫁に行くつもりなんだけど?とキャラは爺さんを軽く睨む。
 知らん顔をする爺さんは迫ってきた刃を剣で弾いて軌道を反らした。

「30分かぁ……」

 持久力が無いキャラは既に限界を越えている……案の定足がもつれて転びそうになる。

「っ!!」

「キャラ!!」

 しかし、次の瞬間には体がふわりと宙に浮き、猛スピードで空へ連れ去られた。

「エンさん」

「お待ち〜」

 アースについていっていたエンがキャラを掬い上げて自分の前に座らせる。

「……はっ…助かりました」

 体力の限界を感じていたキャラはエンに心から感謝した。

「これ終わったら3Pが待ってるからねぇ〜頑張っちゃうよぉ」

 エンの口から出たこの場にそぐわない台詞にキャラは顔を真っ赤に染める。

「なっ?!」

「さっきアースに誘われた〜楽しみだね」

 エンはそう言うと後ろからキャラの首に唇を押し付けた。


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