白い世界-31
「サプラ〜イズ」
悪戯っ子のような顔で言うアース……見ればベルリアも同じ表情をしている。
「ホント……突拍子ねえな……」
そう言うキャラだが顔は満面の笑顔だ。
「もうやめてくれっつうぐらい幸せにしてやるからな……覚悟しろよ?」
アースはそう言って準備していた魔法陣をキャラの頭に掲げる。
魔法陣はぐにゃりと変形し、キャラを頭から足まですっぽりと包み込んだ。
そのまま魔法陣が光ると、次の瞬間にはウェディングドレスに身を包んだキャラが現れた。
全体的にスラリとしたデザインで華美な装飾は無いが、細かい刺繍と所々に施された宝石がキラキラ光り、ため息が出るほど美しい。
ミヤの方はファンの民族衣装の結婚式バージョン。
これは以前から本人達が準備していたものらしい。
男2人はそれぞれの相手にブーケを渡し、手を引いてギルフォードとステラの横に並ぶ。
「汝ら、ベルリア=サクライと、ミヤ=F=タナーは病める時も健やかなる時も共に生きる事を誓いますか?」
「「誓います」」
ベルリアとミヤは声を揃えて宣言するとお互いを見つめて微笑む。
「汝ら、アース=サクライとキアルリア=C=ファンは……以下同文」
「「コラっ」」
誓いの言葉を省略したラインハルトにアースとキャラは同時に突っ込んだ。
「……病める時も健やかなる時も共に生きる事を誓いますか?」
「「誓います」」
言い直したラインハルトの言葉にアースとキャラは返事をする。
「誓いのキスを」
2組の新郎新婦は照れくさそうに口付けを交わし、式場が歓声に包まれた。
唇を離したキャラとミヤは視線を合わせてステラの横に移動する。
「祝福を!!」
ラインハルトの合図で3人は同時にブーケを投げた。
花びらを散らしながら空中を舞うブーケ……ここに集った者、全員が3組の幸せを祈る。
そして、世界の平和を……。