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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-30

「それに、オレとゼビアのナンバー2が結婚するってなると、まぁた招待状出したり準備したりしなきゃいけねえしな……やるとしても2年後ぐらいかな?」

 王族の結婚式は面倒くさい。

「そうねぇ……あーあ、わたくしも良い殿方見つけなきゃ」

 イズミは大きく伸びて奮起する。
 その時、ノックの音と共に式の開始が告げられ、固まるステラをなだめながら式場へと向かった。

 式場には各国の王族、貴族……そして、一般人や観光客が集まっている。
 式場と言っても城の大広間と中庭を使っているので余裕で収容できる。
 ベルリアが映像投影装置を作り、3人の精霊使いエン、デレクシス、ケイによって式の様子が城壁に映し出された。
 よって、3匹の精霊が式場内をうろちょろと飛び回っているが、そのカメラワークは中々のものだ。
 式事態は簡単なもので、誓いの言葉とキスをして終わり、メインは披露宴だ。

「………この2人を夫婦と認める」

 ラインハルトの言葉に、ギルフォードとステラがキスを交わし、城内に歓声が上がる。
 本来ならオーウェンがするはずだった大役をやりとげたラインハルトは密かに胸を撫で下ろした。
 この日の為にミヤに猛特訓を受けたのだ……失敗しなくて良かった、と心から安堵する。
 しかし、まだ重要な仕事がある。
 ラインハルトはギルフォードの近くに居るアースに視線を向けた。
 アースは小さく頷くと客席にいるベルリアへ合図する。

「ここで、重大な発表がある」

 歓声を割って発言したラインハルトの声に城内が静まる。

「守護神オーウェンの巫女長ミヤだが、オーウェン亡き後もこのまま巫女長としてオーウェンの遺志をファンに伝えてもらいたいと思っている」

 ラインハルトの言葉に拍手があがり、ミヤは立ち上がって式場の人々に頭を下げる。

「そのミヤが結婚する事になってね。ついでに式をあげちゃおうかな〜?なんて思ってるんだけど……皆はどう思う?」

 いきなりくだけた口調で話すラインハルトに、ミヤは驚いて振り向き、式場からは割れんばかりの拍手と口笛があがり大騒ぎとなった。

「さらに!!」

 まだ続きがあるのか、と式場が静まり返った中、ラインハルトは渋い表情を作る。

「我々の可愛い姫、キアルリアも男の毒牙にかかってしまってねえ……」

 今度は式場からブーイングがあがる。

(コイツら……)

 式場の反応にアースは苦笑いするしかない。

「本当に不本意なんだが、キアルリアの式もやっちゃっていいかな?」

 さっきとはうって変わって式場がワアッと盛り上がり、新しいカップルを祝福した。
 歓声の中、固まっているキャラとミヤの元にそれぞれの相手が歩み寄る。
 ニヤニヤ笑いながらキャラの前に来たアースは、その手を取ってキスを落とした。


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