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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-19

「とにかく助かったよ」

「ドグがいつ頃戻るか知りたくてね、連絡とってみて正解だったわ」

 ラインハルト達が城から出発する直前にリンから連絡が入り、ゼビア国王が事情を説明するとリンは直ぐに転移してきたのだ。
 ちなみに、ラインハルトはリンと会った瞬間、痛烈な平手打ちを頬に食らった。
 リンは「兄にヤられた」というキャラの話をしっかり覚えていたのだ。
 ついでに言うと、ギルフォードも巻き添えで殴られた……リンに言わせると「だってどっちか解んなかったんだもの」という事らしい。

 閑話休題。

「っていうか、ザギって蛇じゃなかったかしら?」

「魔力の塊と融合しやがった。俺と親父で8割ぐらい分解したが……」

 アースはアビィから飛び降りると、ベルリアとは反対隣に立ち、同じく魔法陣を作り出した。

「久々にやるかい?」

 ベルリアの言葉にアースとリンは頷く。

「3」「2」「1」

「「「結!集縛!」」」

 3人が同時に呪文を唱えると、3つの魔法陣が重なり立体的な球体に変化、ザギはその中に閉じ込められてしまった。

「見たか!!親子結界!!」

 魔導師3人による強固な結界……アースのネーミングセンスはさておき、息がぴったり合わないと大爆発を起こすという非常に難しい技だ。
 めったに見られない技にエンはキラキラと目を輝かせ、他の人々は驚きの表情を隠せずにいた。

ウオオォォン

 ザギは結界の中で大暴れしながら体当たりを繰り返す。
 結界はザギを跳ね飛ばすが、だんだんと跳ね返す力が弱くなってきた。

「嘘だろ……あれ壊す気かよっ!?」

 さすがに息のあがったアースは結界内で暴れるザギの姿を見て唸る。
 キャラを乗せたオーウェンは結界の前でザギに叫んだ。

『ザギ!!お主が作ろうとしている世界はイレーヌの望んだ世界では無い!!』

『喧しい!!邪魔をするなぁ!!』

 ザギの全身から雷が迸り、結界内で渦巻く。

「破られる!!伏せろ!!」

 アースは叫びながら周りに結界を展開、その瞬間、親子結界は轟音と共に大爆発を起こした。

「キャラ!!オーウェン!!」

 アースの目の端に映った2つの影は、爆発の衝撃で火口の方へ吹っ飛んで行く。

「っく……そ……」

 慌てて追いかけようとしたが、魔力の使い過ぎで膝がガクガクして上手く動けない。
 ザギに目をやると爆煙の中から煙を引きずりようにして火口へと移動していた。
 体を覆っていた虹色の鱗は大部分が剥がれ落ち、見るも無惨な姿だ……それでもザギは火口へ進む……その目は虚ろなのに何故か胸を打たれる。


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